動画を制作する際に避けては通れない「著作権」「肖像権」などの権利問題。
動画に登場する人物はもちろんのこと、偶然映ってしまった人物や撮影場所など、様々な箇所に注意する必要があります。
また、動画の中で楽曲を使用する際にも権利が関わってきます。
著作権・肖像権を侵害してしまった場合には対象コンテンツの差し止めだけではなく、損害賠償や対応に多大な時間と労力が発生してしまう場合も考えられます。
したがって担当者だけでなく企業として、前もって著作権・肖像権に関する正確な知識を習得していくことが大切です。
「著作者」とは著作物を創作した人のことをいいます。
動画の著作者に該当する例としては、撮影監督、プロデューサーのような著作物全体の創作に寄与した人が著作者になります。
また、著作物を生み出した著作者ではなく、著作物を広めるために重要な役割を果たしている人々、例えば、歌手や演者、レコード製作者、放送事業者などには「著作隣接権者」として著作権に近しい「著作隣接権」が認められます。
著作権や著作隣接権の侵害には罰則が設けられています。
その侵害が意図的であるかないかに関わらず、著作者や著作隣接権者から損害賠償請求や不当利得の返還などを求められる可能性が生じてしまいます。
また、著作者や著作隣接権者が告訴することで、犯罪として「10年以下の懲役」もしくは「1,000万円以下の罰金」の罰則を伴う刑事罰が科せられる可能性もありありますので注意が必要です。
ニュースなどで取り上げられてしまった場合には、社会的信頼の失墜など、より大きなダメージにもつながりかねません。
肖像権とは、他人が無断で自分が映っている写真や動画などを使用しないよう主張できる権利です。
著作権とは違い法律では規定されていませんが、憲法を引証として肖像権を認めた判例があります。
人の顔だけではなくキャラクターのデザイン、外で撮影する際に映り込む看板などにも発生するため、場合によってはモザイクを入れるなどの対処をする必要があります。
動画を作って利用する場合、著作権・肖像権を正しく理解しておくことは後のトラブル回避に大いに役立ちます。
特に企業での動画利用の場合には、著作権・肖像権の侵害が損害賠償や社会的なダメージにつながる場合もありますので、事前にしっかりと確認して、せっかく作った動画を有効に活用したいですね。